【週刊・流動性分析】7月20日週の資金供給量から探る米国株の行方

【週刊・流動性分析】7月20日週の資金供給量から探る米国株の行方

はじめに:なぜ市場の資金供給量を見る必要があるのか?

みなさん、こんにちは。当ブログにお越しいただきありがとうございます。

普段、株価の動き(S&P500など)をチェックする際、企業の業績や金利の動きを重視される方は多いかと思います。しかし、それらと同じくらい重要、あるいはそれ以上に短期的な株価を大きく動かす要因があります。それが市場の「流動性(資金供給量)」です。

市場に流通するお金の量が増えれば、その余ったお金が株式市場に流れ込み、株価が押し上げられやすくなります。逆に、お金の量が減ると、市場は「資金不足」のような状態になり、株価の上値が重くなる傾向があります。当ブログでは、この資金供給状況をデータから客観的に紐解き、今後の見通しを丁寧に考えていきます。

今週のデータ確認:7月20日週の供給量

まずは、今回発表された最新のデータ(7月20日週)を整理してみましょう。現在の米国市場における主要な資金供給指標の数値は以下の通りです。

  • 対象の週(date): 7/20W

  • ① Treasury Buy Back(B$): 2.75

  • ② FED-RMP(B$): 8.63

  • ①+② 合計バラマキ額(B$): 11.38

  • 前週の合計バラマキ額: 2.00

【専門用語のやさしい補足】

  • B$(ビリオンダラー): 10億ドルのことです。例えば 11.38 B$ は「113.8億ドル」を意味します。

  • Treasury Buy Back(国債買い戻し): 米国の財務省が市場から国債を買い戻すことです。国債を買う代わりに市場へ「現金」を支払うため、市場にお金が供給されます(株価のプラス要因)。

  • FED-RMP(FRBのバラマキ): 中央銀行(FRB)に起因するバラマキのことで、こちらも市場にお金が増える要因となります。

今回のデータのポイント:前週比からの大幅な改善

今週のデータを分析する上での最大のポイントは、「前週と比べて資金供給量が大幅に回復したこと」です。

前週(7/13W)の合計バラマキ額はわずか「2.00 B$」と、市場への資金供給がほぼストップしているような極めて低い水準でした。しかし、今週(7/20W)は合計で「11.38 B$」まで増加しています。

内訳を詳しく見ると、①の国債買い戻し(Treasury Buy Back)は2.75 B$と前週(2.00 B$)から微増にとどまっていますが、②のFED-RMPが前週の0.00 B$から8.63 B$へと大きく増加しています。つまり、今週の流動性回復の主因は「FRB主導のお金が還流したこと」によるものであることが分かります。

株価(S&P500)への影響予想:過去の傾向から考える

今回の流動性データから、今後のS&P500をはじめとする米国株への影響を、過去の傾向を元に考察してみましょう。

過去の流動性と株価の傾向

  • 合計が20B$〜30B$以上の時: 流動性が非常に潤沢であり、S&P500が大きくプラスになりやすい傾向があります。

  • 合計が数B$レベルと低い時: 市場への資金供給が足りず、S&P500の上値が重くなりやすい傾向があります。

今回の合計額は「11.38 B$」です。前週の2.00 B$という最悪期のような水準からは明確に脱したものの、大勝負ができる20B$以上の「潤沢な水準」にはまだ届いていません。

過去のデータを見ても、10B$前後の週はS&P500の騰落率がマイルドな推移にとどまるなど、拮抗した動きになりやすい性質があります。したがって、ここからの市場環境としては、「最悪期は脱したものの、一気に急上昇していくほどの強い燃料(資金)があるわけではない」という、底堅くも慎重な推移が予想されます。

まとめ:投資家が意識すべきスタンス

今回の流動性分析のまとめです。

  • 7月20日週の合計資金供給額は11.38 B$となり、前週の2.00 B$から大幅に改善しました。

  • 改善の主な理由は、FED-RMPからの市場への資金還流です。

  • ただし、株価が急上昇しやすい目安である20B$〜30B$には達していないため、過度な楽観は禁物です。

一喜一憂せず、毎週の資金のトレンドを淡々と追っていくことで、相場全体の「波」を掴みやすくなります。無理のないポジション管理を心がけつつ、冷静に市場を観察していきましょう。