銀(シルバー)投資の基礎知識:なぜ価格が上がっても供給が増えにくいのか?

銀(シルバー)投資の基礎知識:なぜ価格が上がっても供給が増えにくいのか?

近年、太陽光パネルや電気自動車(EV)などの産業需要の高まりとともに、投資対象として「銀(シルバー)」が注目されています。2025年には価格が大きく上昇する場面もありましたが、銀市場には他のコモディティとは異なる「供給の特殊な構造」があります。

今回は、銀の供給ソースの内訳と、初心者でも始めやすい「銀ETF」のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。


1. 銀供給の約70%は「ついで」に採掘されている

銀の供給源(2023年データ)を見ると、驚くべき事実がわかります。実は、銀を主目的として掘り出している「プライマリー銀鉱山」は全体の約28.3%に過ぎません。

残りの約7割以上は、以下の金属を採掘する際の副産物(バイプロダクト)として生産されています。

  • 鉛・亜鉛鉱山: 30.8%

  • 銅鉱山: 26.7%

  • 金鉱山: 13.7%

なぜこれが重要なのか?

銀の価格が100%以上急騰したとしても、メインである銅や鉛の需要が低ければ、鉱山会社は増産に踏み切りません。つまり、「銀の価格が高くなっても、供給がすぐに増えない構造」になっているのです。これが、銀市場で供給不足(デフィシット)が長期化しやすい最大の理由です。


2. 銀投資の現実的な選択肢「銀ETF」とは?

銀への投資を考える際、現物のインゴットやコインを購入するのは保管や盗難のリスクが伴います。そこで便利なのが「銀ETF(上場投資信託)」です。

銀ETFは、証券口座を通じて「銀の価格」に連動する証券を売買する仕組みで、株式と同じ感覚で取引できます。


3. 銀ETFのメリットとデメリット

投資を検討する前に、特徴を正しく理解しておきましょう。

メリット

  • 少額・手軽: 数千円単位から投資可能で、スマホ一つで売買できます。

  • 管理コストの低さ: 保管場所を確保する必要がなく、盗難リスクもありません。

  • 高い流動性: 市場が開いている時間なら、いつでも現金化が可能です。

デメリット

  • 価格変動の激しさ: 銀は市場規模が小さいため、金(ゴールド)よりも価格の振れ幅(ボラティリティ)が大きくなる傾向があります。

  • インカムゲインがない: 株式の配当や預金の利息のような仕組みはなく、利益は売却益のみです。

  • 為替リスク: 銀はドル建てで取引されるため、円建てで投資していても為替の影響を受けます。


4. まとめ:これからの銀市場をどう見るか

銀は、宝飾品としての価値だけでなく、クリーンエネルギー関連の「産業用メタル」としての顔を強く持っています。

一方で、供給面では「他の金属のついでに採れる」という制約があるため、需要が増えても供給が追いつかない状況が続きやすい性質があります。

銀ETFは、こうした市場の歪みや成長性に投資するための有力なツールですが、値動きが激しいため、まずは資産の一部を少額から割り当てるといった慎重なアプローチが推奨されます。