📝 借金社会を生き抜く!「賢い借金」が「コツコツ節約」を上回る時代
なぜ私たちは借金に溺れているのか?
近年、私たちの社会はアメリカも日本も関係なく、「借金」を解決策とするサイクルに陥っています。
- 生活費が足りない? → カードローンを利用する(借金)
- 学費が払えない? → 奨学金(学生ローン)を借りる(借金)
- 景気を良くしたい? → 政府が国債を発行する(国民の借金)
一見すると、これは「すべてが借金頼み」という危険な状態です。日本の政府の借金(長期債務残高)はGDPの2倍以上という、先進国でも最悪の水準にあります。
しかしこの構造を理解すると、「借金そのものが悪い」という単純な話ではないことが見えてきます。むしろ、「うまく借金を利用しないこと」の方が、大きなリスクになる時代が来ているのです。
第1章:コツコツ節約する人が「損をする」経済構造
「無駄遣いせず、真面目に貯金する」ことは美徳ですが、今の経済構造では、残念ながらそれだけでは報われにくい現実があります。
1-1. 資産を蝕む「実質マイナス金利」の脅威
銀行にお金を預けても、現在の日本の預金金利は非常に低水準(ほぼゼロ)。一方、物価は上昇するインフレ傾向にあります。
【貯金する人の現実】
物価上昇率が預金金利を上回ると、実質金利はマイナスになります。これは預金残高が変わらなくても、「そのお金で買えるものの量(購買力)」が時間とともに減っていることを意味します。
つまり、貯金箱の中のお金は、気づかないうちに価値を減らしているのです。これが「コツコツ節約しても損をしている」と感じる最大の理由です。
1-2. 「資産価格の上昇」という機会損失
世の中にお金があふれると、不動産や株式といった「資産」の価格が上がりやすくなります。
- 節約家:現金で貯金し続け、値上がりした資産を遠くから眺めるだけ
- 賢い利用者:銀行から借りたお金を値上がりする資産に投じる
資産価格が上昇すれば、借りたお金以上に大きなリターンを得られます。
この結果、「借金を恐れて資産形成のチャンスを逃す」という、借金を利用しないリスクの方が、節約による利益を上回ってしまうのです。
第2章:現代社会で成功する「良い借金」と「悪い借金」の考え方
借金を賢く利用するためには、借金を「消費のためのお金」と「投資のためのお金」に明確に分けることが重要です。
| 分類 | 目的 | 具体例 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 良い借金 | 将来の収入や価値を生み出す投資 | 住宅ローン、奨学金(将来のキャリアに繋がるもの)、事業資金 | 借りたお金がそれ以上のリターン(資産価値の上昇や収入増)を生む可能性が高い |
| 悪い借金 | 現在の消費や浪費 | クレジットカードのリボ払い、高金利カードローン、価値が下がるもの(新車など)のローン | 金利負担だけが残り、資産や収入には繋がらない |
2-1. 住宅ローンは最強の「良い借金」?
特に住宅ローンは、インフレ時代における良い借金の代表格です。
- 金利が安い:日本の住宅ローン金利は世界的にも低水準
- インフレで実質負担が減る:物価や給料が上昇すると、固定された借金の実質負担は軽くなる
- 資産性の担保:家という資産を担保にしつつ、レバレッジの効果を得られる
もちろん無理な借り入れは禁物ですが、インフレに強い資産を手に入れる手段として、低金利の借金を活用する戦略は有効です。
まとめ:借金社会を生き抜くための新常識
私たちは、インフレと低金利が共存する、これまでの常識が通用しない時代を生きています。
コツコツ節約は、資産を築くための土台(種銭)として重要です。しかし、その種銭をインフレから守り、さらに増やすためには、「資産形成」という次のステップが必要です。
「借金はすべて悪」という古い価値観から抜け出し、「リスクを取らないことこそが、最も大きなリスクである」という新常識を受け入れること。
これが、これからの時代を豊かに生き抜くための鍵となるでしょう。

