世界インフレの謎・渡辺努【インフレ理解に必読の一冊】
渡辺努さんの「世界インフレの謎」は、インフレ理解に必読の一冊です。
インフレには、需要/供給の両面が寄与していますが、中央銀行の金融政策は需要面にしかアプローチできない、つまり、供給には直接アプローチできないことが良く分かります。
直近、米国のインフレがピークアウトしたことは間違いなさそうですが、まだ消費者物価指数CPIは6.5%です。
供給改善には時間がかかるので、最終目標の2%までは、長い道のりになる気がします。
内容紹介
なぜ世界は突如として物価高の波に飲み込まれたのか?
ウクライナの戦争はその原因ではないことは、データがはっきりと示している。
では”真犯人”は……?
元日銀マンの物価理論トップランナー、異例のヒット『物価とは何か』の著者が、問題の核心を徹底考察する緊急出版!
なぜ急にインフレがはじまったのか?
だれも予想できなかったのか?
ーー経済学者も中央銀行も読み間違えた!
ウクライナ戦争は原因ではない?
ーーデータが語る「意外な事実」
米欧のインフレ対策は成功する?
ーー物価制御「伝家の宝刀」が無効になった!
慢性デフレの日本はどうなる?
ーー「2つの病」に苦しむ日本には、特別な処方箋が必要だ!
本書の「謎解き」は、世界経済が大きく動くダイナミズムを描くのみならず、
日本がきわめて重大な岐路に立たされていることをも明らかにし、私たちに大きな問いかけを突きつけるーー
前著よりさらにわかりやすくなった、第一人者による待望の最新論考!
【本書の内容】
第1章 なぜ世界はインフレになったのかーー大きな誤解と2つの謎
世界インフレの逆襲/インフレの原因は戦争ではない/真犯人はパンデミック?/より大きな、深刻な謎/変化しつつある経済のメカニズム
第2章 ウイルスはいかにして世界経済と経済学者を翻弄したか
人災と天災/何が経済被害を生み出すのかーー経済学者が読み違えたもの/情報と恐怖ーー世界に伝播したもの/そしてインフレがやってきた
第3章 「後遺症」としての世界インフレ
世界は変わりつつある/中央銀行はいかにしてインフレを制御できるようになったか/見落とされていたファクター/「サービス経済化」トレンドの反転ーー消費者の行動変容/もう職場へは戻らないーー労働者の行動変容/脱グローバル化ーー企業の行動変容/「3つの後遺症」がもたらす「新たな価格体系」への移行
第4章 日本だけが苦しむ「2つの病」ーーデフレという慢性病と急性インフレ
取り残された日本/デフレという「慢性病」/なぜデフレは日本に根づいてしまったのか/変化の兆しと2つのシナリオ/コラム:「安いニッポン」現象
第5章 世界はインフレとどう闘うのか
米欧の中央銀行が直面する矛盾と限界/賃金・物価スパイラルへの懸念と「賃金凍結」/日本版賃金・物価スパイラル 116
参考文献
図表出典一覧