コンテナが足りない【背景にあるのはアメリカ独り勝ち】
アメリカ港湾でコンテナ船が沖合で待たされることが増えている、というニュースを頻繁に耳にします。
人手不足もあってコンテナの処理能力が足りない、コンテナ取扱者の労務問題が原因という報道が多いです。
一方、空コンテナの問題を指摘する声もあります。
東アジアから北米に向かうコンテナ貨物量は非常に多いですが、北米から東アジアに向かうコンテナ貨物量は少ないことが原因です。
東アジア向けは北米向けの40%程度の貨物量しかないのです。アンバランスですね。
となると、北米の港湾には空コンテナが溢れかえることになります。
空コンテナは荷役作業の邪魔になるだけでなく、東アジアから北米向けのコンテナが不足するという事態を招きます。
これら状況から読み取れることは、アメリカが圧倒的な購買力を誇っているということです。
アメリカは完全に消費社会になっているように思います。
アメリカ人の旺盛な消費に対して、東アジア各国がひたすら生産するという構図です。
アメリカ独り勝ちです。現代版の奴隷制度と言ってもいいかもしれません。
情報技術で産業覇権を握り、基軸通貨ドルで通貨覇権を握るアメリカ人の強さが際立ちます。
一方、カネだけでは満たされないのが人間です。
アメリカ人の不満を解消するには、アメリカの雇用増加が不可欠です。
人間の心を安定させるにはカネだけでなく、仕事そのものの満足感が大切ということです。
バイデン政権が雇用政策に力を入れる理由は、経済安全保障だけでなく、アメリカ人の不満解消も背景にあります。
バイデン政権の雇用政策が成功すれば、アメリカ国内での生産が増加して、東アジアから北米に向かうコンテナ貨物量は逓減していくと思います。
そうなれば、さらにアメリカ経済が発展する一方で、日本や中国など北米輸出を産業構造の中核にしている国は影響を受けるでしょう。
経済の流れが大きく変わる可能性があることに対して、個人ができることは限られています。
しかし、状況変化を捉える努力を継続する(アンテナを張り続ける)、米国株投資を検討する、などできることはあります。
生き残るために、日々頑張っていきましょう!