サラ金(消費者金融)【歴史や背景から学ぶ】
「サラ金に手を出すと終わり」という言葉をよく聞きます。
この言葉はそのまま受け止めて良いですが、サラ金の歴史や背景から学ぶことはできます。
サラ金とは「サラリーマン金融」の略称で、いわゆる消費者金融のことです。
企業などの事業者ではなく、一般消費者にカネを貸すという業態です。
銀行から融資してもらうには厳しい審査が要りますが、サラ金は審査が厳しくないので、手軽にカネが借りれます。
また、担保や保証人が不要であることが多いです。
しかしながら、その代償として極めて高い金利が設定されています。
金利が高いと返済困難なることがほぼ確実なので、「サラ金に手を出すと終わり」という言葉に帰結することになります。
手軽にカネが借りれる代償は極めて重いのです。端的に言うと、人生終わるということです。
サラ金の特徴を纏めたものが下記になります。
- 借りた金の使い道を問われない
- 担保や保証人が不要であることが多い
- 銀行より審査がかなり甘い
- 金利が極めて高い(返済困難となる可能性が高い)
サラ金の発祥は、1960年代に始まった団地金融とされています。
「サラ金の歴史 消費者金融と日本社会」という著書に詳しい説明があるので、一部抜粋します。
質屋へ通うことを恥とし、周囲と同等の消費水準を追求する団地マダムの購買行動は、家計に無理が生じやすかった。
そこにこそ、団地金融への資金需要が生まれる素地があった。
団地金融業者は、日本住宅公団による厳しい入居審査によって、貸付審査を代替できた。団地に入居しているという事実を根拠に顧客に信用を付与できた。
見栄の張り合いにカネが要るという構図が根底にあります。
さらに、団地入居者という属性に着目して、貸付審査を省略しています。見事な無料アウトソーシングです。
これら組み合わせで、団地金融が大きくなったのでしょう。
団地金融の次にできたのが、サラリーマン金融です。こちらも上記著書から一部抜粋します。
情意考課の下で出世を望むのであれば、職場の飲み会や接待・ゴルフなどに積極的に参加したり、気前よく部下におごったりするなど、つきあいのよい人格円満な人物として周囲にアピールせねばならない。
情意考課の対象となったサラリーマンが持つ独特の資金需要を、サラ金は「前向き」と評価し、融資に応じていた。
サラリーマンの意地の張り合いにカネが要るという構図が根底にあります。
サラリーマンという属性に着目して、貸付審査を簡易化したというところが共通ポイントです。
こちらも見事なアウトソーシングです。
団地金融もサラリーマン金融も、人間のつまらない見栄や維持が根底にあることがよく分かります。
「足るを知る者は富む」というのは真理です。
足るを知らない者につけこむのが、サラ金です。
サラ金に手を出すことは厳禁ですが、歴史や背景から学べることはあります。
このような生きていく上で必要な金融知識は多々ありますが、学校では教えてくれません。
本やマンガから学ぶしかないと思います。私のお薦めは以下になります。