米国の債務上限とは【結局いくらでもドルは発行できるのか】
最近、アメリカ株が下落した一要因として、「米国の債務上限」という言葉を耳にすることが増えました。
米国の債務上限について、三井住友DSアセットマネジメント「市川レポート」がとても分かりやすく説明してくれています。その一部を抜粋したものが以下になります。
米国の「債務上限」とは、米連邦政府が国債発行などで借金できる債務残高の枠のこと。
債務が法定上限に達すると、政府は議会の承認を得て、上限を引き上げます。しかしながら、引き上げられない場合は、国債の新規発行ができなくなるため、債務不履行(デフォルト)に陥ることになります。
米国では過去に何度も債務上限の引き上げが政治問題となってきました。債務上限が市場の材料となったのは、2011年、2013年、2015年、2017年でした。
イエレン米財務長官は7月23日、議会上下院に対して、債務上限の引き上げなどの早急な対応を要請し、米国がデフォルトに陥れば、経済と国民生活に取り返しのつかない損害を与えるとの声明を公表しました。
8月1日に復活した債務上限は、28兆5,000億ドルに設定されました。米国の国債発行残高は、直近で約28兆4,600億ドルに達しており、米議会予算局(CBO)は、債務上限の復活に伴い、10月にも資金が枯渇する恐れがあるとの見方を示しています。
デフォルトを回避するには、債務上限を引き上げる以外に、債務上限の適用を再び停止するという選択肢もあります。
先行きは見通しにくい状況となっていますが、少なくとも、議会自ら米国のデフォルトを選択することはないと考えます。
米国には国債発行の上限に関するルールはあるが、なんだかんだ言って、そのルールを有耶無耶にする方向にズルズルと進み、事実上、無制限に米国国債発行残高は増え続けるという構図に見えます。要するには、いくらでもドルは発行できる、ということかと思います。さらに言うと、米国人は世界中から財やサービスをいくらでも買えるということかと思います。
「ドルという共同幻想」を米国だけでなく世界中の人々が抱き続けるためには、小難しい議論や儀式をして、何だか良くわからないようにする必要があるということです。
米国は最強、ドルは最強、ということです。この恩恵を享受するためには、SBI証券で口座開設して、米国株に投資することが一番手っ取り早いです。