円安ドル高が進行しています【何が為替に影響するのか】
最近、円安ドル高が進行しています。
僅か1年の間で、10円ほど円安が進行して、2022/3/18時点では、1ドル118円になっています。
出典:Google Finance アメリカ合衆国ドルから円
ところで、何が為替に影響するのでしょうか。
特定の何かが為替に影響するというのは、答えがでないものです。
ひとまず、「通貨の総合力」が為替相場を決定づけると捉えた方がよいです。
「通貨の総合力」と言っても分かりにくいので、
①短期 → 金利
②中期 → 国際収支
③長期 → 物価
に分けて考えた方がよいです。
①短期では、為替相場は金利の影響を強く受けます。
金利が高い通貨を保有している方が、利息が多くつくからです。
ドル円ならば、米国の長期金利は2%程度で、今後、FRBの金融政策によって、金利が上昇することが確実視されています。
一方、日本の長期金利は0.2%程度であり、米国の1/10程度です。今後、金利が上昇するという話はほとんど聞きません。
つまり、短期的には日米の金利差が拡大する方向にいくので、円安ドル高に向かうと考えられます。
②中期では、為替相場は国際収支の影響を強く受けます。
最近、日本の国際収支が赤字であるとの報道がありました。
国際収支が赤字ということは、その国が儲かっていないということです。
基本的に、儲かっていない国の通貨は安くなります。
儲からない日本、世界最強の経済大国である米国。
中期的に見ても、円安ドル高に向かうと考えられます。
財務省が8日発表した2021年12月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支は3708億円の赤字となった。赤字となるのは20年6月以来、1年6カ月ぶりとなる。原油高などを受けて輸出から輸入を差し引いた貿易収支が赤字に転じたことが響いた。
出典:日本経済新聞 2022年2月8日
③長期では、為替相場は物価の影響を強く受けます。
直近では、原油高や円安などの影響で、微妙なコストプッシュインフレの兆しが見えますが、日本は長年デフレが続いてきました。
一方、アメリカは、長年に渡り年率2%程度のマイルドインフレを維持してきたことに加えて、直近では、年率消費者物価指数が前月比7%以上増加が続くなど、明確なインフレの兆候があります。
日米の物価差は、今後、更に開いていく可能性が高いと思います。
となると、長期的にみても、円高ドル安に向かうと考えられます。
短期、中期、長期の視点において、いずれも円高ドル安に向かうことが示唆されます。
円資産をドル資産に変えるなど、少しでも動き出して行った方が良いと考えます。