白河の 清きに魚も 棲みかねて もとの濁りの 田沼恋しき

白河の 清きに魚も 棲みかねて もとの濁りの 田沼恋しき

何ごともホドホドが良いということです。

「白河の 清きに魚も 棲みかねて もとの濁りの 田沼恋しき」

五、七、五、七、七の短歌(狂歌)のリズムも良いです。

何でもかんでも徹底的に規律を強化すれば良いという論調が優勢になりがちですが、そのようなときに「白河の 清きに魚も 棲みかねて もとの濁りの 田沼恋しき」と誰かが口にすれば、救われるケースがあるかもしれません。

この言葉について、Chinomaさんがとても分かりやすく説明してくれています。一部抜粋したものが以下になります。

江戸中期、白河侯松平定信が行なった「寛政の改革」がわずか6年で幕を閉じたのは、民衆による強い反発によるものだった。厳しい財政改革が経済を停滞させ、文化も廃れさせたことが原因だった。たとえ腐敗政治だったとしても、生活も豊かで文化も花開いた以前の華やかな「田沼時代」が恋しいと、失脚した老中田沼意次を民衆は懐かしんだのだ。そのときに生まれた歌がこれだ。寛政の改革と田沼の腐敗政治をくらべて風刺した狂歌である。